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殺人鬼の棲む島

第26章 4日目 早朝 岡山県某漁港

バケツをひっくり返したような雨、という表現でも物足りないくらいの豪雨が西日本を襲っていた。

ここ、岡山県にある小さな漁港も嵐が訪れており、立っているのもやっとなくらいだった。

吹き飛ばされたらそのまま海に落ちて命の危険すらある。


この大雨は二日前から天気予報で言われていたから漁港に停泊する船はみな、固くロープで結ばれて春の嵐に向けた対策がとられていた。


「あーやっぱりこんな大雨じゃ船は出てないみたいですね……」

傘をさしていても意味をなさないくらいの大雨だからともこと未来の二人は漁協組合の市場の軒下に待避していた。

「無念ですわ……」

止みそうもない雨を睨みながら未来は唸る。

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