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殺人鬼の棲む島

第28章 4日目 朝 旧洋館

どしゃ降りの雨の中、悠夢は旧洋館へとやって来ていた。

旧洋館は比較的黒鵜館と近かったが、これだけの雨だとずぶ濡れになる。

洋服はたっぷりと雨を吸い、靴下から下着からすべてがぐっちょりと濡れていた。

こんなところに来るんじゃなかったと後悔する。

それに黒鵜館と違い旧洋館には当然暖房の類いはないから寒い。
古びた館にはすきま風が入り込み、濡れた悠夢に追い討ちをかけるような冷気が漂う。

「風邪引きそう……」

震えながら悠夢は洋館内を歩く。

せっかくきたからには何か収穫がほしい。

辺りの気配に用心しながら身を潜めつつ洋館内を探掘する。

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