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殺人鬼の棲む島

第28章 4日目 朝 旧洋館

キッチンがあった場所もすっかり荒廃していて面影もない。

引き出しを開けると小振りながら鋭利そうなナイフを見付ける。

悠夢はそのナイフを手に取ると錆びてない柄をしげしげと眺めてから、付属の小さな鞘にしまってポケットにいれた。

大きさからいってさほど頼りにはならなさそうだが、ないよりはましだと判断していた。

それが身を守るためのものか、逃げ惑う被害者の首をかっ切るためのものかは悠夢の緊張した面持ちからは読み取れなかった。

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