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殺人鬼の棲む島

第29章 4日目 朝 神社

大雨が降りしきる中、京茶屋がやって来たのは森の中にある神社であった。

「ほう……意外と立派なもんじゃな……」

それはこんな辺鄙な島にしてはそこそこの規模の神社ではあった。

瀬戸内虚空蔵尊という石碑が立てられている。

旧洋館の傷みから考えてもこの神社は比較的痛みが少なかった。
恐らく神社だけはたまに誰かがやって来て整備しているのだろうと京茶屋は考えた。

当然京茶屋も降りしきる雨と横殴りの暴風でずぶ濡れになっていた。

若い頃ならこれくらいなんとも感じなかったであろう京茶屋だが、年金暮らしの老体ではあまり長く持ちこたえられそうもなかった。

京茶屋は急いでお社へと入る。

ずぶ濡れのままでは悪いと思ったが風邪を引いてもかなわない。

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