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殺人鬼の棲む島

第29章 4日目 朝 神社

社の中は当然ながら静まり返っている。

京茶屋は神経を集中させながら奥へと進んでいく。

これといって気になるものはない。

「ふうむ……空振りじゃったかのぉ……」

凍える体を擦りながら苦笑いを浮かべる。

特に神社や仏閣に造詣が深くない京茶屋だったが一番奥に祀られてあった木像に手を合わせる。

その時----


背後に気配を感じた。

京茶屋はその年齢を忘れさせる機敏さで腰を屈めて左に跳びながら身構える。

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