殺人鬼の棲む島
第4章 一日目 昼
全員が揃ったところで改めて自己紹介をすると、一堂はチャーター便に乗り込んだ。
チャーター便には『すまいる主催オフ会 黒鵜島への旅』という紙が貼られていた。
手書きの汚い字が怪しさを増していた。
予定時刻より若干早いが、船は黒鵜島へと向かい、ゆっくりと進んでいった。
船内ではそれぞれがいくつかのグループに別れ、会話を楽しんでいた。
少し外の景色を見たくなった遥風はデッキへと向かう。
穏やかに見える海だったが沖に出ると風は強く、遥風はチューリップ帽が飛ばないように慌てて抑える。
デッキに出た遥風が視線を向けると既に先客がいることに気付く。
その人物とはTOMだった。
じっと黙って離れていく陸を見る横顔が何か深刻なものを感じさせ、声をかけるのを躊躇ってしまう。
先程の自己紹介のときに見せた掴み所のないあやふやな表情とは違い、なにかを思い詰めてるような表情にも見えた。
「あっ……」
その時風が強く吹き帽子が飛ばされそうになり、遥風は声をあげてしまう。
その声に反応してTOMが振り返る。
チャーター便には『すまいる主催オフ会 黒鵜島への旅』という紙が貼られていた。
手書きの汚い字が怪しさを増していた。
予定時刻より若干早いが、船は黒鵜島へと向かい、ゆっくりと進んでいった。
船内ではそれぞれがいくつかのグループに別れ、会話を楽しんでいた。
少し外の景色を見たくなった遥風はデッキへと向かう。
穏やかに見える海だったが沖に出ると風は強く、遥風はチューリップ帽が飛ばないように慌てて抑える。
デッキに出た遥風が視線を向けると既に先客がいることに気付く。
その人物とはTOMだった。
じっと黙って離れていく陸を見る横顔が何か深刻なものを感じさせ、声をかけるのを躊躇ってしまう。
先程の自己紹介のときに見せた掴み所のないあやふやな表情とは違い、なにかを思い詰めてるような表情にも見えた。
「あっ……」
その時風が強く吹き帽子が飛ばされそうになり、遥風は声をあげてしまう。
その声に反応してTOMが振り返る。