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殺人鬼の棲む島

第30章 4日目 朝 黒鵜館大浴場

黒鵜館の大浴場はローマ風呂を彷彿させるようなものであった。

高い天井に広々としたスペース。
石造りの円柱が何本か立っており、彫刻なども置かれている。

浴室の中心に円形の広々とした湯槽が設置されている。

ゆきめはそんな立派な浴室に一人でいるのはなんだか贅沢でもったいなく、心細さも感じていた。

体を洗ってから湯槽に浸かる。

ほっこりとした湯温が冷えた体を暖める。

「ほふっ……」

その幸せでのどかな安らぎに張りつめていた緊張もほぐれていく。

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