テキストサイズ

殺人鬼の棲む島

第31章 4日目 昼 黒鵜館大浴場

薄手のニットしか持ってきていないことをみじろっぷは後悔していた。

外に出て雨に濡れなくても今日は充分に寒かったからだ。

いくら暖房があるとはいえ、黒鵜館はマンションなどに比べれば密閉性が低く、すきま風が忍びいる。

すっかり体が冷えたみじろっぷは大浴場に浸かりに来ていた。

ニットを脱ぎ、下着を脱いでたたんだ後、眼鏡をかけておくべきかどうかを迷った。

しかしどうせ曇って使い物にならないから外しておく。

たゆんと弾む胸は残念な体型の遥風はもちろん、綴恋愛も霞むほどの迫力があった。

「わぁ凄い……」

大浴場のゴージャスな造りを見てみじろっぷはため息をつく。

こんな状況じゃなきゃもっと楽しめるのに、と残念に感じた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ