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殺人鬼の棲む島

第32章 4日目 昼下がり 黒鵜館大浴場

みじろっぷの溺死体は無惨な表情を浮かべていた。

恐怖に見開いた目は死ぬ間際に見た地獄を物語っていた。

「安らかに眠ってくれ……みじろっぷさん」

京茶屋はそっと目蓋を手で閉じさせた。

裸では可哀想と悠夢が毛布を掛けてあげた。

今朝がたまで元気だったみじろっぷが虫けらのように殺された。

殺人鬼の冷血で無慈悲な殺し方に全員が憤りと恐怖を感じていた。

「窒息させて殺すなんて……あまりにも酷すぎる……」

ソラが歯を食い縛って嗚咽を漏らす。

「…………ソラ」

綴がそっと肩に手を置く。

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