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殺人鬼の棲む島

第36章 5日目 早朝 岡山県某漁港

昨日の嵐が嘘だったかのように空は晴れ渡っていた。

とはいえ大雨の影響で今日は漁に出る船も少ない。

ともこと未来の二人は昨日と同じ漁港にやって来ていた。

「なんで黒鵜島に船を出してくれないのですか!!」

黒鵜島に行ってくれるという船がなかなか見つからず未来は目を吊り上げて漁師に迫る。

「お嬢ちゃんたち、なんにも知らないのかい?」

漁師は吸っていた煙草を海にピッと投げ捨てると渋い顔をした。

「何かあるんですか、黒鵜島に?」

「あの島で昔、事件があったんだよ」

「事件?」

「ああ。リゾート地として開発されてたけどそれ以来ひとがよりつかなくなってな」

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