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殺人鬼の棲む島

第46章 6日目 昼 リビング

せっかく悠夢を殺人鬼として閉じ込められるところだったのにっ……

ワイングラスをやや乱暴にテーブルに置き、目を閉じる。

まぶたの裏には小賢しいソラや京茶屋、遥風の顔が浮かんだ。

そして怯えた悠夢の顔も……


誰かの気配を感じて紫響ははっと目を開ける。


「誰かいるの……?」


虚空に向かい紫響が声をかける。

しかしもちろん返事はなかった。


「駄目ね、私も……怯えすぎだわ……」

苦笑いを浮かべ、紫響はワイングラスを手に取った。

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