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殺人鬼の棲む島

第47章 6日目 昼 船着き場

海は穏やかなものだった。

しかし辺りを航海する船はない。

そっと海面に手をつけ、ソラがその冷たさを確認する。

やはりこの水温では泳いで島を出るということは自殺行為だ。

例え隣の島くらいに行けたとしても陸はまだ遥か先だ。


「明後日、十時にここに迎えの船がくるんじゃろうか?」

いつになく弱気なことを京茶屋が呟く。

「ええ。来ますよ。当たり前じゃないですか」

ソラがわざとらしく笑う。

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