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殺人鬼の棲む島

第58章 7日目 朝 岡山県某漁港

「ふぅむ……お嬢ちゃんはその作家先生がよほど好きなんだな。そんなに立派な人なのか?」

意外にも未来の熱弁は漁師の心を動かした。

「はい!! すまいる先生は天才です!! 鬼畜な描写、徹底したロリコンぶり、屈折した願望を吐き出すような偏執ぶり……歪んだ現代社会の産み出した癌細胞みたい方です!!」

ほぼ悪口のように聞こえるが未来なりの絶賛の言葉のつもりだった。

「そこまで言うなら仕方ないな……わかった……すまいるとやらからは絶対に口外するなと言われておったが……確かにワシはあやつらを島へ送った。だが今日は無理だ。明日の朝迎えにいく予定だからお前らも連れて行ってやろう」

「ええっ!! いいんですか!! ありがとうございます!!」

未来は目を輝かせて漁師の手を握る。

喜ぶ未来を見てともこは目を細めた。


が、何か引っ掛かりを感じた。


しかしそれがなんなのか、気付けないでいた。

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