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殺人鬼の棲む島

第59章 7日目 朝 洞窟

洞窟に入った瞬間、血の臭いがした。


この七日間でずいぶんと嗅ぎ慣れた臭いだとはいえ、心拍数は高鳴る。


今度はいったい誰が……

遥風は恐る恐る足を踏み入れる。


「京茶屋さんっ……」

遺体は意外と入り口に近いところにあった。

背中や頭、腕、脚と至るところが無惨に切りつけられて絶命していた。

「嘘……絶対嘘だ……京茶屋さんが死ぬはずないっ……」

緊張の糸が切れたように遥風は京茶屋の遺体の前に崩れ落ちる。

「嘘だッッ!! 嘘だ嘘だ嘘だァアア!!」

気が触れたように遥風は叫んだ。



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