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姉さんに夢中

第25章 言えない幸せ

「正也は好きなやついないの?」

誰でもいいという言葉が何故かイラついて、ただそれだけの気持ちで訊いていた。

「ん?」

机に突っ伏したまま正也がこちらに顔だけ向けた。

「誰でもいいなんて・・あの子としたいとかねえのかって思ってさ・・いねぇの?」

一瞬だけ間をおいて正也がゆっくりと答えた。

「・・・いるよ・・」

「お?誰?」

「お前の姉ちゃん・・」

「はぁ?・・・」

思ってもいなかった答えに固まった。

「学校一の美人だよな?お前の姉ちゃん・・ま、俺なんか相手にもしてもらえねぇだろうけど・・ハァ・・彼氏とかいるんだろうなぁ・・お前彼氏とか知ってる?」

「し・・知らねぇ・・」

「ハァ・・知らねえか・・いるんだろうなぁ・・エッチとかしてるのかなぁ・・」

それだけ言って、正也は再び反対側に顔を向けた。

姉さんのファンは腐るほどいる。
こんな近くにもいた事に少し動揺した。

お前なんかに姉さんは渡さねぇよ・・

その日は1日中イラついていた。

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