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「君は失恋をして、綺麗になった」

第2章 「なごり雪」



コンビニ帰りの電灯の下

俺は雪道に足跡を作って歩く

1人の女の子を見かけた。



見たところ高校生なのに

まるで子供のようにはしゃぐ彼女は

どこか嬉しそうに口角を上げている。





それでも、俺は見てしまった。




降り積もる雪を見上げて

フッと吐き出した吐息と共に

照らされたのは一筋の涙。




立ち止まったまま

声を押し殺すその姿は

言葉にはできないほど儚げで…

本当に、綺麗だった。

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