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「君は失恋をして、綺麗になった」

第2章 「なごり雪」

…………


もし誰かが私たちの関係を
一言で示せと言うのなら…

凛はきっと、迷うことなく
〝先輩と後輩〟って答えるんだろうね。


そのくらい、彼はクールな人だった。








『これ、もう明日が締め切りじゃん』


凛目当てで
ちょくちょく抜け出す昼休憩。

机に座って真剣に読む凛の横顔を
チラッと眺めるのが私の日課だった。




サラッとした黒髪。

足を組めば机にぶつかる長い手足。

そして…

表情一つ出さない切れ長の目。






女から見ても悔しいくらい

凛は美少年だった。



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