『「君は失恋をして、綺麗になった」』第3章「「名もなき恋の歌」」　32ページ

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「君は失恋をして、綺麗になった」

第3章「名もなき恋の歌」

「あっ……えと、長谷川朔ッス」

女の子なんて慣れてるくせに
今日はやけに大人しいな……。

フレンドリーで気さく。

〝緊張〟なんて言葉は
似合わない人だったから
少しおかしい気はしてたのに。

何で私…
あの時気づかなかったんだろう。

悔やむに悔やめないあの日。

朔と美沙を引き合わせたのは
他の誰でもない…私自身だった。