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「君は失恋をして、綺麗になった」

第1章 「幸あれ」



思えば、私に翔太は勿体無かった。





私のグチもワガママも
文句一つ言わずに聞いてくれた翔太。

何度も助けられて、励まされたのに
今まで何一つ返せなかった私。


だからこのワガママだけは…
彼の最初で最後のワガママだけは
どうしても叶えてあげたくて。





『……頑張れ。
翔太ならきっと上手くいくよ』





ウソをついた。

そんなこと、本当は少しも思ってない。
思えるはずもない。


素直に言えなかったけど…
そのくらい、大好きだったから。




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