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「再会」と呼べる「出会い」

第2章 郵便局を曲がって…

「たっだいまー
 …いらっしゃいませ」


……

「こ こんにちは
 マスターの 息子さん?」


私は一瞬思考が止まってしまった。

顔立ちは少し女性的だ。
パッチリしているが
穏やかな目つき、
鼻や口
顔のパーツの一つ一つが
整っている。
マスターによく似ている。


体付きは男性のようだ。
なんというか 
横から見ると薄い。

肩甲骨まで伸びた艶やかな黒髪を
一本に結んでいる。
普段なら
「長髪なんて男らしくない!」
とテレビに向かって
言っている私だが…
綺麗な顔立ちのせいか気にならない。

あれか?
実は胸が無いだけで
女性なんじゃ…

しまった!!!
じゃあ“息子さん”なんて
とんでもなく失礼だ!!

「息子じゃないですよ」

うゎぁあ やっぱり…

「只の居候です」



「次郎さん、教科書は揃った?」

「うん」

次郎さん? 
良かった 性別は男だ…。

ホッとため息がもれた。

「こちらの方は神鳥さん
 2年生の神鳥由芽さんの
 お父さんよ
 
 次郎さんは新学期から
 酉丘高校に編入するんですの」

炭石先生が教えてくれた。

「へぇえ そうなんですか」

編入生か

「今まで何処かに?」

「ちょっと外国に」

次郎君はそう言って
にっこりと微笑んだ。

笑った表情もマスターに似ている
本当に 親子じゃないのか?

「外国か…
 帰国子女なんだ」

「えぇ、まぁ…
 …っと茜ちゃん、奥にいい?」

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