
好きで、好きで、好きで。
第4章 初めて
操が諦めたのかゆするのをやめると、優斗が目を開けてベッドのほうを振り返った。
「お前、自分の部屋もどれ。」
「…やだ。」
「ここ、俺の部屋。」
「あ!!」
「なんだよ…」
優斗を無視して操が笑顔になって腕を引っ張った。
「一緒にねよ!」
「やだよ。お前寝相悪ぃし。」
「決まり!優くん明日朝練ないでしょー?」
操がぐいぐい引っ張ってくるのに抵抗する。
「何で知ってんだよ。」
「和美情報~さすが新聞部でしょ~?」
「どうせ匠に聞いたんだろ?」
匠というのは和美の彼氏だ。
同じサッカー部で部長をしている。
「ねーえー」
操が駄々をこね始めると手におえなくなる。
優斗はひとつため息をついて、しぶしぶベッドに入った。
