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BL~中編・長編集2~

第9章 ~番外編②~

「やった!! じゃあ、一個目のお願いしていい?」

そう言って、上目遣いで俺を見上げてきた。

「いいよ。」

「じゃあ、その…」

少し戸惑っている翔を不思議に思いながら待っていると、翔が口を開いた。

「寒いから…ぎゅってして?」

「……………」

思ってもみなかったお願いに少々驚いたが、優しく微笑んで翔を見つめた。

「…いいよ。」

そう言って、翔をギュッと抱きしめた。

「ふぁ~…あったかい…弘樹の匂いがする~。」

翔はそう言って、すりすり顔をすり寄せてきた。

……可愛すぎるだろ。

「翔…」

「ん?」

声をかけると、翔は顔を上げた。

「あ…」

「ワン!!」

大事なことを伝えようとした時、コロが「遊べ~!!」とでも言うようにドアの前で吠えた。

「あ!! 忘れてた!!」

昨夜の約束を思い出し、慌てて起き上がる。

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