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とあるホストの裏事情・完

第14章 若者小悪魔はるかクン。

「…そういうことなら、俺帰るけど?」
「…っ、いやっ… お願いです… 好きなんです…」

完全に涙目の遥は、俺にもっと寄ってくる。
何で、そこまでして?


「研斗の存在、分かってるよね?」
「はい…」
「だったら、諦めてくれない?」


俺がそう言うと、遥は唇を噛み締めた。
大きな目から涙がこぼれ落ちそうだ。


「…っ、好きなんです… ホントに、大好き」

俺の手に優しく手を添えてくる。
はぁ… 引く気ないだろ… もう。


「一回でいいんです。研斗さんには… これから先何百回とキスするんだから」
「…………」


それも、一里ある。
研斗にはもう既に100回以上してるし、セックスだってしてる。
それに比べて遥のは、たった一回。
でも… 本気キスとなると、なぁ。


「ダメ… ですか…?」

可愛い顔してんだから、俺じゃなくてももっと他に男捕まえられるだろ。



「…本気キスは、ダメ」
「えっ、どういう…」
「…触れるだけ、ね」

ごめん研斗。
一回だけだから、我慢して。

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