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とあるホストの裏事情・完

第23章 大切なあいつは ー 将悟side ー

普通の客・・・つまり女が酒を飲む席からは完全に死角になっているところに男性ルームがある。
ここに来る女は、男性ルームがあることなんか一切知らない。
ここまで隠せる店長もすごいよな・・・。

見えたのは、栗色の髪の毛を少し遊ばせた・・・見た目高校生くらいの男。
え、待てよ。本当に高校生?な訳無いよな。うん。
“童顔”という言葉を思い浮かべ、その男に近寄る。

「ご指名ありがとうございます。将悟です。初めてのご来店・・」
「はじめまして将悟さん。僕、絢って言います。ちょっと興味あって、奮発して出てきちゃいました」
完全に俺の言葉を遮ったものの、あどけない笑顔を浮かべる、絢といった男。なるほど、ゲイが好きそうな顔立ち。
「そう。絢さんは何歳?」
「18です。大学生なんで、もう大人ですよ?」
「そっか。高校生くらいかと思ってたよ。絢さん童顔でしょ?」
「あの、絢、って呼んでくれたら嬉しいんですけど・・・」

・・・コイツを一言で例えるなら、小悪魔、と言っておこうか。計算しつくされてる感じ。
俺に何かを仕掛けてるのは間違いない。でも、何がしたいのかがわかんねぇ・・・

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