とあるホストの裏事情・完
第23章 大切なあいつは ー 将悟side ー
どれくらい乗っていただろうか。
隣で絢が何か話しているが、耳に入ってこない。
俺はただ研斗が選んでくれたCDに耳を傾け、悲しみに浸っている。
研斗を守れなかった。
しかもその相手と研斗を重ねてしまった。
研斗に謝ることが多すぎて、
研斗のこと以外考えられなくて。
頭の中を研斗のことで埋め尽くした。
「着きましたよー」
「・・・・・・」
「早く降りて降りてっ」
「・・・・・・お前、後で一発殴らせて」
「いいですけど、研斗の前ではやめた方がいいと思いますよ」
「なんで?」
「知ってるでしょ?暴力受けてたの。 そんなとこ見せたら、もう将悟さんに近寄らなくなっちゃう」
「・・・俺はときどきお前がいいやつなのか悪いやつなのか分からなくなる・・・」
「よく言われます」