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とあるホストの裏事情・完

第24章 さわらないで

「しょうごーって、何回も、呼ん、で」
「うん・・・」
「でも、届かな、くてっ、でもっ、ずっと待って、て・・・」
「ごめん・・・研斗・・・・・・」

そう言った瞬間、俺は涙を流していた。
プライドなんか全部捨てた。
今は研斗のことしか考えられなくて。
泣くのが怖いとか、かっこ悪いとか、もう関係無くてどうでもよくて・・・・・・

ただ、俺の腕の中で泣いて震えてる研斗を強く抱き締めて。


「かなしかった、・・・ おれ、捨てられたって、思って・・・っ」
「・・・はぁっ、ごめんなー・・・」
「もう、しょうごの、とこっ、帰れないって思ったら、寂しくてっ・・・」
「うん、研斗・・・ ほんとごめん・・・」

声が、震える。研斗にも気づかれているだろう。

「研斗・・・ 愛してる。俺は研斗のこと一番わかりたい」
「うんっ・・・」
「ずっと一緒にいる。約束しよう」
「将悟と、もうっ、離れたくない・・・」

研斗の本心。
一生懸命言葉を繋ぐ研斗を、強く抱き締めれば。
細い腕が身体にしがみつくように、俺の背中に回った。
その力は案外強くて、俺は嬉しかった。



その夜、俺は研斗が泣き止んで寝るまで、ずっと研斗を抱き締めていた。
眠いという意識はなく、俺の中で眠る愛しい人を、濡れた目で見ていた。

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