とあるホストの裏事情・完
第25章 限界
「研斗、だめ?」
「……ごめん、もーちょい待って、ください…」
「…わかった」
「マジでごめん」
研斗のあの事件があってから、俺たちに変化が訪れた。
それは…
「ぶわっはー!!おっまえかわいそーだなー!」
「うっせーほっとけ!」
「あっははは、まぁそうだよなー。
あんなことされてセックスなんて当分できんよなー」
「はぁ…。わかってんだけどさすがに一週間もヤってねーとさすがに限界」
「まーまー。ここは愛する研斗ちゃんのために我慢するってことを覚えなされ」
そう、セックス。
でもあんだけ酷いことされといて、よしセックスしよ!ってなるほうが逆に不安だ。
誠也の言う通り、もう少し我慢してみようかな、とは思ってる。研斗のためにも。
でも…
一週間おあずけは、さすがに鬼です、研斗さん。
「はぁ…」
「どーしました?欲求不満ですか?
もの欲しそうな顔しちゃって」
「お前も全部知ってるだろ…」
「えー、バレました? てか、研斗さん仕事来ないとつまんないですー!」
遥は、氷悠から大体のことは聞いてるだろう。
でも、あまり俺に気を使わないでくれている。その方が、俺もやりやすい。