とあるホストの裏事情・完
第30章 氷悠 × 遥 -遥side-
「や… だめ、乳首、もういい…!」
「気持ちよかった? 乳首、男でも感じるんだよ」
「そこ、痛い… じんじんするから、もう舐めないで…っ」
遥が本当に辛そうな顔をしたから
俺は仕方なく乳首から顔を離した。
遥の顔はトローンとしていて、紅潮している。
暖房がきいてるこの部屋は、冬なのに暑く感じれた。
「ひゆう… 僕、気持ち悪い…?」
頭を撫でていると、急に遥が口を開いた。
遥の腹を見たら、さっき出した遥のものがかかっている。
俺はすぐにティッシュでふいてやってから、なんで?と聞き返した。
「だって… 変な声、出てたし…」
「だから?」
「ほとんど、ここだけでイッちゃったし」
「うん」
「軽蔑、してる…?」
遥は、今にも泣き出しそうな表情を浮かべていた。
そんなとっても可愛い遥を、力強く抱き寄せる。
素直に首に腕を回してくるとこなんか、最高に愛しい。
できればもう一回やりたいし
もちろん最後までやってみたい。
だけどこれ以上は遥が拒む気がする。
今日は諦める他ない。
「俺は遥があんな風になってくれて嬉しい。 俺の手であんなに感じてくれてたなんて、もう興奮する」
「…っ、でも、」
「軽蔑なんてするわけねーだろ。 てか、こうなるように仕向けたの俺だし。 いまさら変なこと言うな」
そう言うと、遥が身体を離し
俺を見つめてくる。
大きな瞳がゆらゆら揺れている。
俺がフッと笑うと
遥から顔を近付けてきた。
「ん… ひゆう…」
だけど俺はそれを寸止めする。
可愛い唇が、かすかに震えている。