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とあるホストの裏事情・完

第34章 新婚(!?)旅行




「……これって、幸せって言っていいのかな」


ふ、と微笑みながら言うもんだから


えー?と俺も笑いながら研斗を向くと


しみじみとした顔をしてて


一瞬言葉につまった。


研斗のいう幸せとは


どういうものだろう?


俺と一緒にいること?


この何気ない一瞬?



その瞳からは読み取ることができなくて


指をギュッと握ることしかできなかった。



「俺は幸せだな」


「………なんで?」


「んー、なんでって言われても、なぁ?」


「なぁ、って…」


「俺たぶん、研斗がいれば生きてけるわ」


「…………」


「研斗が10年後、まだ俺のこと愛してたら、」


「………っ、」


「俺は、ずっと研斗のこと愛してるから、」


研斗の瞳から、大粒の涙が一筋流れた。


俺の手を握る手は震えていながらも強く


俺を捕まえる。



「ずっと一緒にいよう」


「…う、んっ…」


「………結婚しよう」


「……うん」



力強く頷いた研斗は


勢いよく俺に抱きついてくる。


しっかりと受け止め、


もう一生離すまいと


抱き締める。


笑いながら泣く研斗の背中を撫でながら


俺も感動していた。


これからもずっと、一緒に。






「おれ、将悟のこと」


抱かれたまま呟く。


そういえば、言いかけていた言葉を


まだ聞いてなかった。


「うん」


「好きだからな…」


「…おう」


「大好きで、愛してるからな…!」


「俺もだよ、研斗」



研斗の瞳を捕らえると


ゆっくりとキスをする。


求め合い、すがりつく。

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