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とあるホストの裏事情・完

第4章 本当の気持ち。

ーーー研斗目線ーーー

「っ・・・じゃあ研斗からしてよ。ん。」

何いってるかはあまり分からなかったけど、無防備に唇を俺に向ける将悟を見て、ものすごくキスしたい衝動に駆られる。


俺は意識が朦朧とするなか、将悟の膝に座り、将悟を少し見下ろした。

「早くしろよ。」

そういって、将悟は上を向く。
目を閉じたまま、俺にそういってくる。

ーードキン・・・ドキン・・・

心臓の音が高鳴る。

将悟の、

長いまつげも

少し湿った唇も

汗ばんだ顔も

全てを俺のものにしたい、とまで思った。


「っ・・・チュッ」

俺は、頭の中で一生懸命、

思考回路の渦を回らせていた。

『俺のものにしたい』
そう思っていた自分にビックリ。

好きなのか?

俺はホモになってしまったのか?

将悟は俺のことどう思っているのか?




などと考えていたため、将悟にはついばむようなキスしか出来なかった。

いや・・・わざとしなかったのかもしれない。

だって・・・これ以上したら、俺の本当の気持ちが将悟にバレてしまいそうだから。

「・・・・・・それだけ?」

俺が将悟からゆっくり顔を離すと、不機嫌そうな顔で聞いてきた。

「だって・・・」

「続き・・・したくないの?」

俺は…もしかしたら将悟のことが好きなのかもしれない。

だったら、愛のあるセックスをしたいと思う…のは俺だけかな…

俺は好きかもだけど、将悟は俺のこと…好きじゃない…

っ・・・・

そう思うと、何だか切なくなってきた。

・・・その甘い声で、何人もの男や女をオトしてきたんだろ?

俺をどうしたいんだよ・・・
わかんねー・・・
やっぱりただの性欲処理機?

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