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とあるホストの裏事情・完

第4章 本当の気持ち。

俺の頬をゆっくりと伝う涙。

何でだろう…
泣いてる理由はろくに分からないけど、俺の目からはとめどなく溢れてくる。

「うっ…うぅ~っ……」

「えっ?は、ちょ!何で泣いてんだよ!おい…何?俺、何かしたか?」

やめろ…

そんな優しい声で聞くなよ…

もっと涙が溢れてくる。

何なんだよ…?俺にもわからない。

原因不明の涙が俺の頬を伝う度、将悟は指で優しく拭ってくれる。

「っ…ごめんっ、将悟…俺、帰る…」


「っは?!いやマジで。何?ちゃんと言ってくれなきゃわっかんねーよ!」

ビクッ

俺は身体を震わせた。

将悟のいつになく真剣な表情
それだけで、俺を思ってくれてるって…分かるんだけど…

その思いやりが、逆に辛い。

俺は将悟を振り払って、店をあとにした。

午前0時をまわっていた。

俺は途中でタクシーを呼んだ。

そのタクシーの中で、ずっとずっと、考えていた。






















「……好きなんだ………」

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