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とあるホストの裏事情・完

第6章 強敵はいつも突然に。








今日の営業1位は、やはり誠也さんだった。

久しぶりの営業ということを感じさせない仕事ぶり。

本当に、素直に見習いたいと思った。

いつもの1位は将悟。

でも多分将悟でも勝てないと思うなぁ…

そんな事を思っていると、後ろから誰かに声をかけられた。


「よぉ、研斗」

声のした方を振り返ると、誠也さんがいた。


「お疲れ様です」


ペコっと頭を下げると、誠也さんが笑った。

ハハハッ と、歯を見せて笑う。
・・・誰かに似てるんだけどな・・・

面影があるような気がする。



「お前、見かけによらず真面目なのな。
いちいち良いってそんなの」

「あ・・うす」


気さくな人で後輩にもしたわれている。


・・・ちょっと待てよ...誠也さんがここで働いているってことは

もしかして...

誠也さんもホモっ?!




普通に考えていたら、その確率は大分高くなる。

将悟もホモ。

建志もホモ。

託麻もホモ。

...俺もホモ。

その他先輩方もほとんどヤってる。


店長は....謎だけど




「ってかさぁ...」


「は、はい」

誠也さんの色気のある少しかすれた声で、我にかえる。



「研斗と将悟って、なんかあるの?」



ギクッ

俺の顔が青ざめていくのが分かった。

「え...あ..の.....」


誰が知ってた?!

誠也さんは今日来たばっかりだから、将悟も見ていない。

イコール、俺と将悟の絡みを見ていない。

イコール、誰かが既に気づいてて、それを誠也さんに吹き込んだ。


でも、ここはホモばっかりだし、俺と将悟の関係なんて、別におかしくはない。


でも何か・・・

俺のプライド的に・・・

うーん...



「あれ、違った?
何か店長からそれっぽいこと聞いたからさ」








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