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とあるホストの裏事情・完

第7章 過去

ーー将悟sideーー


今日は、意を決して研斗の傷のことを聞いてみたいと思う。

それなりに研斗もスッキリするかなぁ

なんて思いながら、ベッドに横たわる研斗の髪を優しく撫でた。


「研斗、その傷のこと・・・って聞いてもいいか?」

「・・・・・・・・ぅん・・・」

「言えるとこまででいいから」


そう言うと、研斗は静かに頷いた。



「その傷は、いつの頃の?」

研斗の手を握りながら質問をする。


「・・・小5から高1までの頃の」

・・・だいぶ長いな
やっぱ、虐待とか・・・?


「何が原因で?」

「お袋の再婚相手に恵まれなかった。みんな、暴力ばっかり・・・」

そう弱々しく言った研斗の手は、微かに震えていた。
『大丈夫』と言わんばかりに強く握り返す。


「・・・それで?」

「・・・・・・お袋と親父が離婚したのは、俺が小2の時」

「うん」

ただ、相槌だけうって話を聞いていた。

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