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とあるホストの裏事情・完

第7章 過去

「お袋はそれなりに美人だったから、再婚相手はすぐに見つかった」

「うん」

「・・・・・親父とお袋のこと見てると、もう人のこと、信じられなくなってた」
「うん」

「・・・・・・・新しい親父とは、誰とも、一回も口きいたことなかったな・・・
よく、生意気なガキだって殴られてた」

「それで、その傷?」





研斗は黙って頷く。
新しい親父にも殴られて・・・

「こんな、汚い身体になっちゃってさ…」

「汚くねえ。……きれいだよ、お前は」

「………ん、ありがとう」

研斗の瞳には、涙が溜まっていた。

俺は黙って聞き続ける。


「・・・俺が14のとき、また親父が変わった。
その人は、俺の顔を見て『いい話がある』って言って、」

目を瞑って
すぅっと息をする研斗の手を
俺は優しく握りしめた

「いい話って?」


「・・・はぁ・・
女を抱いて、金貰う話。」

思ってもいなかった言葉に、俺は言葉をつまらせる。


「ビックリだろ?
まぁ俺はそのとき詳しく話されなかったから、とりあえず指定された場所に行った」

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