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エール

第1章 リーヴル

.......って、そんなことはどうでもいい!


「写真撮ったら奈帆が起きるだろ。」



スマホを真帆の手から奪い取りながら、できるだけ小さい声で注意した。



「でも.......。」



不満そうな真帆は、何故かくちごもる。




「だって、本当に珍しいんだもんっ!」



「珍しいって......。まあそうかもしれないけど、シャッター音がなったら起きるだろ。」




俺の手からスマホを取り返そうとして、ピョンピョンと跳びはねながら、真帆は文句を言う。




「起きたら起きたでいいじゃん!こんな珍しい場面を抑え逃すなんて、新聞部としてのプライドが許さないの!」



...そういや真帆は新聞部だったっけ。



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