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オレの彼氏は“偽装恋愛主義者”。

第1章 すれ違いと色違い。

その言葉には、反論できなかった。

いつ?いつだっけ?

いつ、オレは真ちゃんからそんなこと、言わせれたっけ?

記憶を辿って漁っても、全然見つからない。
どういうこと?
じゃあ、ただのオレの自己満足だったってわけ?

「オレは、そんなこと一度を言った覚えがない。そんなことをされて、嬉しい恋人がいるわけないのだよ」

悲痛に顔を歪め、自分の胸元をぎゅっと大きな手で握り締める真ちゃんが、遠くなっていく感覚がする。

それが本当なら、オレは世界で一番最低な男だ……。

偽装を頼まれてもいないのに、偽装して、わざわざ報告までしていた。

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