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俺のウサギちゃん

第13章 初恋

うちは近所の子供の溜まり場みたいになってて、共稼ぎで両親が留守がちだったみみちゃんは、よくうちに遊びに来てたんだ。



みみちゃんは、大人しくてニコニコと人の話を素直に聴く可愛らしい女の子だったなぁ〜。



俺たちは、野球やサッカーなんか男の子が好む遊びばかりしてた。



みみちゃんは、それを応援してたんだ。



けど、時々は女の子の遊びもしたいみたいで、そんな時は俺が相手をしてた。



ななみの奴は、ままごとやら女の子の遊びが苦手だったからな。



俺だって、もちろんそんな遊びは嫌だった。



けどお袋から



『みみちゃんの面倒も見てやってね』



なんて言われたからさ…。



お姫様ゴッコが大好きだったみみちゃんは、シンデレラゴッコをやりたがった。



シンデレラといえば、ガラスの靴だろ?



そんなのないから、お袋のハイヒールを拝借して遊んでたんだ。



ぶかぶかのハイヒールをコツコツと鳴らして歩けてご機嫌だったんだけど…



シンデレラのガラスの靴が脱げて置いて帰った後、王子がその靴の持ち主を探すシーンがあるだろ?



「この靴にピッタリの貴方が王子が探していた姫です。」



みたいな感じの所で足に靴を履かせたんだ。



みみちゃんはシンデレラ役だから、ガラスの靴はみみちゃんにピッタリじゃないとおかしいだろ?



実際には、お袋のハイヒールだからぶっかぶか…。



そしたら、みみちゃんが泣き出してしまって…



「みみこ…王子様と結婚できない〜。」



ってな…。





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