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俺のウサギちゃん

第22章 俊の家

俊くんが不機嫌そうに割り込んだ。


「てか、何で居るの?今日、パーティーに行くんだろ?」


「ふふっ、モチロンお邪魔しに来たのよ♡俊ちゃんが、コソコソ怪しいんだもん。パーティーは、夕方からだし。」


「俊…すまん。今日のパーティーの余興で弾く曲が決まらなくてな。あと一曲、何か今風の曲ないかい?できれば日本の曲。みみちゃんも、何か知らない?」


「サティーは?」


「それもいいけど、もっと勢いのある疾走感たっぷりの日本の曲がいいかな?」


「あの…『千本桜』とかどうですか?ピアノ曲は素敵ですよ?」


あたしは、思い切ってボカロを進めてみる。CMのピアノ曲が素敵だったし。


「『千本桜』?日本の曲かい?聞いたことないが…。俊は知ってる?」


「ああ、日本の若者なら大抵は知ってるだろう?」


蓮さんが、コソコソと俊くんに耳うちする。


「邪魔して悪いな。ちゃんと透子さん連れて出て行くから機嫌なおせ。」


蓮さんは、俊くんよりも少し背が低い。それでも長身に間違いない。

何て言ってたか、分かんなかったけど、蓮さんが俊くんの頭を優しく撫でていた。


「俊〜、サビだけでも教えてくれよ。」


「サビんとこだけな。」


俊くんが、ピアノの前に座りゆっくりと弾きだした。


えっ⁈ 俊くん、ピアノ弾けるの?


あたしの心配もよそに、平然と美しい旋律を奏でていた。

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