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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

中央都市での謀反者暗殺は失敗に終わり、すまいる王の苛立ちは激しかった。

しかし同時に相手もそれだけ手強いということを認識出来ていた。

政治家としての能力はない国王だが、闘争という能力には優れている。

現状では謀反討伐も魔族討伐もままならないと判断したすまいるは次の作戦に出ていた。


「はぁ……僕が国内浄化作戦の指揮官ですか……」

否定や肯定ではなく、かといって戸惑いでも駆け引きでもない。

ボーッとした返答をするのは国内最強の用心棒として名高い遥風であった。

そのだらけた受け答えに謁見の間に集まったものたちの間で緊迫が走る。

すまいる王の要請に対して二つ返事をしないものなどいない。

苛立つ国王が更に激昂するのではないかと気を揉んでいた。

しかしそれは杞憂に終わる。

「そうだ。お前の力を国に貸してくれないか?」

すまいる王が高圧的ではなく、依頼をする。
信じがたい光景だった。

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