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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

月夜野とみぃみぃは即席で同盟を結び、TOMににじり寄る。

人間対魔族。

TOMがどれだけ人間を好きになろうが、人間は魔族を見れば狩りに来る。

TOMの脳裏に再び博物館の剥製が浮かぶ。

魔族を殺すだけではあきたらず、死んだあとも晒し者にする人間の残酷さ。
それは魔族以上かもしれない。

「ウガアアアアアッ!!」

人狼は天に向かって吠える。
その激しさは辺りを振動させるほどのものだった。

「いくぞっ!!」
「はいっ!!」

けれど同盟を組んだ二人は怯まず飛び込む。

「人間ガァアアアッ!! 俺様に勝てると思うなよっ!!」

TOMの爪は瞬時に剣のように伸びた。

「なっ……!?」
「ヤバっ!?」

TOMはその剣のような爪を二人に振るう。

「うぐっ!!」
「ああっ!!」

鋭利な爪は二人の腕や腹をざっくりと切り裂く。
血飛沫が飛び、返り血を浴びたTOMを赤黒く染めていた。


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