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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

「団長ッ!!」

部下の一人が慌ててみぃみぃを抱き上げる。

「離せッ……俺はまだ……やれる……」

「今は撤退しかねぇ!!」

暴れるみぃみぃを押さえ付け、山賊団は急いで山寺から逃げ去る。

「くそッ……こんなところで……」

月夜野は立ち上がってTOMに向かい刃を向けた。

「まだやるのか? 死にたいようだな……」

血で染まったTOMがニヤリと笑う。

二人が動き出す瞬間、

「喝ッッ!!」

住職が一喝する。

「貴様ら、ここは寺院じゃ!! いい加減にせぇ!!」

鋭い眼光で二人を睨む。
その眼差しには高い徳と霊力が宿っていた。

ただでは済まされないとTOMは感じた。

「……あー。白けた……じゃあな」

そう言い残しTOMは崖から飛び降りて山を下る。

「あっ!! ま、待て!!」

月夜野は慌てて崖を見下ろすが、さすがに崖からは飛び降りられない。

傷口から血を流しながら唇を噛むしかなかった。

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