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闇の王と光の騎士

第3章 混沌の幕開け

しかし勝どきを上げてもソラの表情は険しいままであった。

その表情はとても二十代前半のうら若き娘とは思えない。

彼女は幼き頃に女であることを捨てた。

自分からすべてを奪った憎きすまいる王国を滅ぼすために----

彼女がかつて仕えていた王国はすまいるによって滅ぼされていた。

それはすまいる王がほぼ全世界を統一した後のことだった。
同盟を結ぶという条約を結び、警備が手薄になったところを攻めるという卑劣極まりないやり方であった。

不意を衝かれた王国は一瞬で崩され、国王らは捕らえられ、斬首された。

まだ甘かったソラは国王らを守ることが出来なかった。

それでも王と共に自害を選ばなかったのはすまいるを自らの手で殺すためだ。

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