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「ッッ……」

その迫力にまあやも圧倒される。

「私は……こんなところでっ……ぐっ……」

白虎は堕天使の精を吸いとっていた。
ゆずの身体から堕天使の紋様が消えていく。

「負けるわけに……は……いかな……い……」

ゆずは悔しげに呻き、そして果てた。

暗部街の門付近はあまりの出来事で静寂に包まれていた。

「ともこっ!!　背中に乗れ!!」

「えっ……あ、はい!!」

何がどうなっているか理解の範疇を越えていたが、よくない状況だということはともこにもわかっていた。

ともこが背に飛び乗るとシャルルは駆け出していた。

「あっ……」

追いかければいいのか、判断がつかなかったまあやは呆然と立ち尽くしていた。

そして梁山泊頭領の天剴はその成り行きを塔の最上階から眺めていた。

（厄介な方を取り逃がしたみたいだが……まあいい。まあやの腕は鈍っていない……）

混沌の時代はまた一人、ゆずという犠牲者を生み出して加速していった。


----生存者残11名