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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

「シャルル……」

ともこは唖然とした表情で呟く。

しかしそれも無理はない。

彼女の飼い猫は身の丈三メートルはあろうかという真っ白い虎に変身していたのだから。

「びゃ……白虎ッ……」

まあやも驚きのあまり言葉を失う。

聖獣、白虎。
伝説上の魔族と呼ばれた神々しい姿に一同は目を奪われた。

「聖獣っ……」

最初に正気に戻ったのはゆずであった。

聖獣は魔族と言えどゆずたちとは対極にある。

人間の守り神として生きている。

「うりゃああああッ!!」

堕天使は全身に幾何学模様を張り巡らせ、魔術を唱える。

「させるかっ!! 阿修羅千撃っ!!」

人類の希望である聖獣を守るため、まあやはゆずに奥義を繰り出す。
掌底が腹部に胸にと衝撃を与えた。

「ぐはっ!! こ、この修道女がっ!!」

魔術は潰され、ゆずは守りに徹するしかなかった。

「堕天使よ……眠るがよいッ!!」

聖獣の姿になったシャルルはゆずの首筋を噛みつく。

「グギャアアアッ!!」

刃がざっくりと突き刺さり、ゆずは苦痛の叫びをあげた。



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