テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第13章  魔界争乱

櫻啼の笑いは魔王の行為にだけ発したものではなかった。

むしろ苦悩し、もがくTOMの姿を嘲笑っていた。

人間と魔族の共存。
そんな夢絵巻を本気で信じている人狼への嘲笑いだった。

「人間どもが突入してくるのは予定通りだ……誘き寄せたんだからな……」

血で汚れた手を拭きながら魔王はほくそ笑む。

「この地底王国で王立軍を壊滅させる……俺を倒せる奴などいないのだからな……」

「そうですね……」

血に汚れた布を受け取りながら櫻啼も微笑む。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ