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闇の王と光の騎士

第13章  魔界争乱

TOMと戦ったときの傷も癒えていない櫻啼にとって今の一撃は生命すら脅かす一撃となっていた。

しかしそれを気取られるほど彼は未熟ではなかった。

「いい度胸だ……殺してやろう……」

櫻啼は威嚇するようにゆらりと首を上げ、睨み付けた。

研究員達は震えながら部屋の隅に隠れる。
今彼たちに出来ることは精々サタンの邪魔にならないことくらいであった。

「てりゃっ!!」

櫻啼は素早く拳を振り抜く。
それは距離がありすぎ、モーションも大きすぎる。
霧里に到底当たるはずもないパンチだった。

しかし自らの流れる血を振り撒くには最適だった。

ほとばしる血が大量に霧里の顔にかかる。

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