テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第13章  魔界争乱

「ふぅ……終わりましたね……」

遥風は額にかいていた汗を拭う。

「…………」

紫響は口許からどす黒い血を吐き出し、生気を失っていた。

しかし紫響の亡骸を前にしても、ももは将軍は緊張を解いていなかった。

そして遥風もまた、鬼神のオーラを解いてはいなかった。

「……あんた、何を狙ってるんだ?」

壁に向かったままももはは用心棒に問いかける。

「何って?」

「惚けんなよ……はじめは金で動く汚い野郎かと思ってた……けどあんたからは欲らしい欲は感じられない」

「そりゃどうも」

威圧するももはの言葉にも遥風は惚けた口振りで答える。

「そういうところが気に入らねぇ……何隠してんだ? 何が狙いでこんな仕事引き受けたんだよ?」

「何が狙いって……将軍も見てたでしょ? あの場ですまいる様の命令に背けば首をはねられていた。やるしかないでしょ、普通」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ