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闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

「驚かせてしまい、すいません」

「いや……」

ちなみにらふぃんの母親は既に他界していた。
すまいるの怒りを買い、処刑されたからだ。

らふぃんには愛情を注ぐすまいるだったが、その母親には興味の欠片も抱いてはいなかった。

らふぃんは霧里の墓と放り投げられたワインボトルをちらりと見てから父を見詰めた。

「霧里さんは残念でしたね……けどお父様は国民の皆様を守ったんですね。素晴らしいです。尊敬いたしております」

五歳とは思えぬ気遣いと優しさにすまいるは目頭が熱くなる。

「いや……まだだよ……まだ戦争は終わっていないんだよ……」

らふぃんの頭に手を乗せ、すまいるは空を睨んだ。

「まだ……戦争は終わっていない……」

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