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闇の王と光の騎士

第3章 混沌の幕開け

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「あらあら……みんな一瞬で殺しちゃったのね」

デクソン村の教会の屋根に座っていた『ゆず』は月影の華麗な剣さばきを見て微笑んだ。

ショートボブの髪に残忍さを感じるような美しい顔立ちのその女性の背中には、黒い翼が這えている。

ゆずは魔族のなかでも取り分けて気高いことで知られる堕天使だ。

ガーゴイルやオークどもが人間に殺されようが気にも留めた様子はなかった。

そして月影が村を出ていくのを追いかけることもしない。

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