テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

遥風もその村の出身だ。
戦争孤児として、国から見棄てられた。

棄民村には満足な水場すらなく、痩せこけた土地には植物は根付かず、家畜を飼う肥料もない。

人々は家畜以下の生活を余儀なくされ、飢えや病気で死んでいく。
遥風は幼いときからその村で逞しく生きてきた。
そして用心棒となり、多額の報酬を貰い、棄民村の暮らしを支えてきた。

しかしそれももう限界だった。

今回の戦争で孤児や負傷兵はさらに増えた。

とても遥風一人で全員の面倒を見ることはできない。

ならば世の中を変えるしかない。

すまいるを討ち、政府を変えて棄民村などというものをなくすしかない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ